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投稿日:2026-01-08
非常用発電機は、災害時に人命と事業を守るための最後の砦です。しかし近年では、「設置している」「定期点検を実施している」という形式的な対応だけでは不十分とされ、BCP(事業継続計画)の観点から実際に災害時に稼働するかどうかが強く求められる時代になっています。
2025年に発生した地震をはじめ、今後高い確率で想定されている南海トラフ地震への備えとして、非常用発電機の信頼性は経営課題そのものです。その中で、非常用発電機の点検・試験分野では技術革新が進み、従来の課題を解決する新しい点検手法が主流になりつつあります。
従来の負荷試験では、施設全体を停電させる必要があり、業務停止やテナント調整、利用者への影響など、多くのハードルが存在していました。また、試験時に発生する排気ガスや黒煙による近隣環境への影響も大きな課題でした。これらの問題を背景に、現在注目されているのが「模擬負荷試験装置」と「黒煙対策技術」です。
模擬負荷試験装置は、実際の建物負荷を切り離した状態で、発電機に対して人工的に負荷をかけることができる装置です。この方式の最大の特長は、施設を停電させることなく、実負荷相当の試験が可能である点にあります。業務を止めることなく点検を実施できるため、工場、病院、商業施設、オフィスビルなど、止められない施設を中心に急速に普及しています。
模擬負荷試験では、無負荷運転では確認できなかった多くのポイントを把握できます。具体的には、定格出力まで安定して発電できるか、電圧や周波数の変動状況、冷却系や燃料供給系の状態、長時間運転時の異常兆候などです。BCPの観点では、「始動するかどうか」ではなく、「必要な時間、安定して動き続けられるか」を確認できる点に大きな価値があります。
さらに、模擬負荷試験は法令対応や監査対応の面でも評価されています。測定データや運転記録を客観的に残しやすく、消防点検や行政指導、内部監査・外部監査の場面において、「形式的な点検ではない」ことを説明しやすくなります。点検の実効性を示す手段として、今後さらに重要性が高まると考えられます。
一方で、負荷試験時に課題となりやすいのが黒煙の問題です。特に屋上設置や都市部の施設では、試験時に発生する排気ガスや黒煙が、近隣への影響やクレームにつながるケースも少なくありません。病院や商業施設など、利用者が多い施設では、試験そのものが敬遠される要因にもなっていました。
この課題に対応する技術として導入が進んでいるのが、可搬式DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)です。試験時の排気ラインに接続することで、黒煙や粒子状物質を捕集・低減し、周辺環境への影響を抑えながら負荷試験を実施できます。屋上設置や市街地でも試験が可能となり、点検の実施ハードルを大きく下げる技術です。
黒煙対策技術の導入は、単なる環境配慮にとどまりません。近隣クレームの低減、施設管理者や利用者への説明のしやすさ、CSR・ESGの観点での評価向上など、企業価値を守る取り組みとしても重要な意味を持ちます。結果として、非常用発電機の点検が「実施しやすいもの」になり、点検の質と頻度の向上につながります。
BCPの本質は、書類を整えることではなく、非常時に設備が確実に機能することです。模擬負荷試験装置や黒煙対策技術は、その確認を現実的かつ安全に実現するための手段であり、今後の非常用発電機点検のスタンダードになりつつあります。
非常用発電機点検は、もはやコストではなく、事業を止めないための経営インフラです。最新の技術動向を理解し、自社施設に合った点検手法を選択することが、災害時のリスクを最小限に抑える重要な経営判断となります。
【お問い合わせ】
非常用発電機の点検方法見直し、模擬負荷試験の導入可否、黒煙対策を含めた運用設計についてご相談を承っています。現地条件や施設用途を踏まえ、BCPと法令対応の両面から最適な点検方法をご提案します。
【関連情報】
消防設備事業サイト:https://skytechnos-fireprotection.studio.site/
香川県消防設備協会:http://k-syoubou.jp/
日本ドライケミカル:https://www.ndc-group.co.jp/
Instagram(施工実績):https://www.instagram.com/skytechnos_official/
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。建物用途や所轄消防の指導により、必要な点検内容は異なる場合があります。
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