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外壁タイル剥落事故の再発原因を、FM(ファシリティ・マネジメント)と予防保全の観点から解説。法制度やガイドラインを踏まえ、建物の安全性維持に必要な定期点検と最新診断技術の重要性を整理します。
外壁の剥落事故というのは、決して“珍しい事故”ではありません。
むしろ建物管理の現場から見ると、「起きるべくして起きている事故」と言えます。
ではなぜ、同じような事故が繰り返されてしまうのか。
今回は、FM(ファシリティ・マネジメント)の視点から整理してみます。
※FM=施設全体を長期的・総合的に管理する考え方
AM(資産管理)、PM(不動産管理)とは役割が異なります。」

建築物は土地に固着した工作物であり、本来は安全性が大前提です。
しかし現実には、どんな建物であっても時間の経過とともに劣化は進行します。
外壁・タイル・シーリング・付帯物など、あらゆる部位が対象です。
つまり建物とは、「放っておけば必ずリスクが上がる資産」です。
劣化そのものを止めることはできません。
問題はそれをいつ把握し、どう対処するかです。
建物の劣化には一定の傾向(初期劣化・進行劣化など)はありますが、
実際の進行速度は環境条件や使用状況によって大きく変わります。
そのため「この時期に必ず危険になる」という予測はできません。
ここに事故の本質的な難しさがあります。
このような偶然性のあるリスクを前提にすると、
「壊れてから直す」ではなく「壊れる前に把握する」という考え方が必要になります。
これが予防保全の基本的な考え方です。
実際、外壁タイルの剥落事故を契機に、
各種ガイドラインや定期報告制度も整備されてきました。
それでも事故がゼロにならないのが現実です。
結論から言えば、多くの場合は「意思決定の問題」です。
民間オーナーの場合、どうしても
が重視されやすく、長期的なリスク管理は後回しになりがちです。
結果として
「何か起きてから対応する」構造が残り続けています。
一方で公共施設では、インフラ長寿命化基本計画などを背景に、
FMの考え方が制度としても進んでいます。
民間領域でも徐々に広がりつつあり、
ドローン調査や赤外線診断など、非破壊での劣化把握技術が普及してきました。
従来の打診調査や足場仮設は、精度は高い一方で
費用・工期・安全性の面で負担が大きい手法です。
そのため現在は、
といった“効率的な一次スクリーニング”の重要性が高まっています。
外壁剥落事故は、偶然ではなく「見逃しの積み重ね」で起きます。
だからこそ重要なのは、
事故後の対応ではなく、事故前の状態把握です。
赤外線診断やドローン調査は、そのための有効な手段の一つです。
建物の安全性と資産価値を長期的に守るためには、
こうした予防的なアプローチが今後さらに重要になっていきます。
「事故は突然起きるのではなく、静かに進行しています」

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